225Laboマガジン第5回:日経平均株価は米国株にも影響される!?

※本記事は、2024/10/25に配信された225Laboマガジンのバックナンバーです

皆さんご存知の通り、日経平均株価は東京証券取引所プライム市場に上場する銘柄のうち日本経済新聞社が選定する225銘柄によって構成されています。そのため、225銘柄の中でも寄与度の高い銘柄の株価が日経平均株価に与える影響が大きいといえます。さらに、米国株がもたらす影響も大きく、今年3月の史上最高値4万2000円台の更新や、8月に起きた急落・急騰は、NYダウ平均株価やアメリカの景況感が大きな要因になったとされています。 

今回は、米国株がどのように日経平均株価に影響を与えるのかを見ていきましょう。 

 <日本株と米国株の価格が連動する理由>

証券業界では「アメリカがくしゃみをすれば、日本は風邪をひく」と言われています。日本経済は米国経済の影響を強く受けやすく、米国株と日本株の価格が連動的に動く傾向があるという意味でも使用されています。連動する主な要因としては、以下の2つが挙げられます。但し、必ずしも連動するわけではないので、情報として押さえておく程度が良いでしょう。

 ・経済の相互依存

日本企業による対米直接投資残高は、2022年には約7752億ドルと、過去10年で倍以上になりました。また、2021年の在米日本企業による米国でのGDP創出額は、世界第2位となっています。このように貿易や投資、サプライチェーンが活発化し、日本とアメリカの経済的な結びつきが強まると、株式市場も連動しやすくなります。

 ・株式市場における外国人投資家の動き

過去30年ほどでは2004年頃をピークに国内の個人投資家が日本株の保有割合を下げており、海外投資家の影響力が強まっています。今年の7月に発表された日本取引所グループの調査結果(※)では、ジャスダックを除く日本の4つの証券取引所に上場された企業の株主のうち、外国人が31.8%を占めています。1970年度は4.9%、2000年度は18.8%と、年々比率が高まっています。このような状況から日本株の売買は外国人投資家が6〜7割を占めていると考えられ、なかでも米国人の割合が高いことが予測されます。

 米国の投資家が米国株を中心に投資を行い、余剰資金で日本株を買う場合、米国株が好調であれば、さらなる利益を求めて積極的な取引が行われます。一方、米国株が下落し低迷すれば、損失の穴埋めのために日本株を売る投資家が増える可能性が高まります。

 ※「2023年度株式分布状況調査の調査結果について」(日本取引所グループ)  

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