225Laboマガジン第4回:事例から学ぼう!日経平均に影響を与える災害・疫病・地政学

※本記事は、2024/10/18に配信された225Laboマガジンのバックナンバーです

日経平均株価は、自然災害や感染症、政治、戦争などによる大きな変化に影響を受けるケースが少なくありません。急な値下がりをはじめとするリスクに備えるためには、投資関連の情報だけではなく、時事ニュースなどのリアルタイムな情報にもアンテナを張ることをおすすめします。今回は、過去に日経平均株価への影響が大きかったリスクの事例をご紹介します。取引を始める前に、ぜひリスクへの理解を深めていきましょう。

<東日本大震災~銘柄97%が値下がり~>

2011年(平成23年)3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生。地震発生直後から株の売り注文が殺到します。また、情報が錯綜する中で福島第一原子力発電所の事故による放射線流出の危険性や、メルトダウンの情報も不透明だったこともあり、大口の取引をする外国人投資家などがリスク回避のため保有株を売却する動きを強めました。その結果、東証第一部市場(現:東証プライム市場)に上場する銘柄の97%が値下がりする事態となりました。

【当時の日経平均株価の主な動き】

◆3月11日(金)

13時10分:1万0348円(前日比86円安)

14時46分:東日本大震災発生

終値:1万0254円(前日比179円安)

◆3月14日(月)

・寄り付き(当日の最初の売買)から売り注文が殺到

終値:9620円(前週末比633円安)

◆3月15日(火)

・福島第一原子力発電所事故による放射線量の上昇が報道。

・外国人投資家などを中心に保有株を売却する動きが強まる。

終値:8605円(前日比1015円安)

なお、東日本大震災による日経平均株価の1日の下落率は、過去4番目に大きい数字を記録しています(2024年9月現在)。 

【下落率】

1ブラックマンデー(1987年):-14.90%

22024年8月の株価大暴落:-12.40%

3リーマン・ショック(2008年):-11.41%

4東日本大震災(2011年):-10.55%

<アメリカ大統領選挙による株価の乱高下>

来る11月5日に投票が行われるアメリカ大統領選挙は民主党候補者が現副大統領のカマラ・ハリス氏となり、共和党候補者のドナルド・トランプ氏(以下、トランプ氏)の支持率を上回るなど波乱を巻き起こしています。過去の数々の大統領選挙が日経平均株価へ影響を与えましたが、近年ではトランプ氏が2016年に出馬した際の株価乱高下が代表例として挙げられ、「トランプ・ショック」とも呼ばれています。

2016年(平成28年)11月9日のアメリカ大統領選挙では、民主党のクリントン候補の優勢を覆し、トランプ氏が当選確実となったことを受け、日経平均株価は一時1000円以上の下落を記録しました。しかし、一夜明けると、買い注文が殺到。日経平均株価は一時、1100円以上値上がりするV字回復を見せました。

今回の大統領選挙の結果が、どのように日経平均株価へ影響を及ぼすのかは、まだ誰にもわかりませんが、以下トランプ・ショックの経緯を踏まえ、地政学的リスクを意識してみることをおすすめします。

【当時の日経平均株価(アメリカ時間)】

◆11月9日(水)

午前10時半ごろ:フロリダ州でトランプ氏が優勢との報道→日経平均株価が下落

午前11時半ごろ:下げ幅が500円に拡大

14時半ごろ:トランプ氏の勝利が濃厚に→日経平均株価は一時1000円以上下落

(為替)

・投資家のリスク回避により、円を買う動きが加速。1ドル=105円台半ば→101円台前半に上昇。

・17時ごろには1ドル103円台に戻し、その後も円安が続く。

◆11月10日(木)

寄り付きから買い注文が殺到し、日経平均株価は一時、1100円以上の値上がりを見せる。

なお、日経平均株価がV字回復した要因としては、以下が挙げられます。

・連邦議会選挙にて共和党が上下両院で勝利し政治が安定するとの見方が拡大

・規制緩和や大型減税などトランプ氏が打ち出す政策への期待感が拡大

<コロナ・ショック>

記憶に新しいコロナ・ショックは、2020年(令和2年)2月後半からの世界的な株式相場の下落を指します。新型コロナウィルスの感染拡大をきっかけとした予期せぬ暴落ですが、以下のように直前までは堅調に上昇を続けていました。なんとコロナ・ショック前後では、わずか2ヶ月弱で約7800円幅を下げているのです。

【コロナ・ショック前後の日経平均株価】

1月17日(金):2万4115円(リーマン・ショック後の最高値に迫る)

1月23日(木):中国の武漢市がロックダウン

2月24日(月):一気に下げ足が加速

3月19日(木):最安値1万6358円

<2024年8月の株価大暴落>

最近でも目を見張る株価大暴落が起こりました。2024年8月、日経平均株価は、史上2番目となる12.4%の下落率を記録するとともに世界同時株安を引き起こしました。

これまで長らく続いてきた日銀の金融緩和と円安の方針転換、アメリカの景況感への懸念による米国株の急落などの複数の要因が重なった結果、円キャリートレード(※)の巻き戻し(解消)も大きな影響を与えたことが考えられます。災害・疫病・地政学リスクとは要因が異なるので少しテーマから外れますが、記憶に新しいところですので、ご紹介いたします。以下が主な時系列となります。

7月31日(水):

日銀金政策決定会合で追加利上げを実施。同日米国時間にFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が9月に利下げの可能性を示唆し、日米で金融政策の方向感相違が明確となり、急速に円高・ドル安が進行します。

8月1日(木):

ISM製造業景況感指数が前月より低下。市場予想よりも下回る。

8月2日(金):

アメリカの7月雇用統計において、農業部門以外の就業者数が悪化。市場予想の18万5000人増を大きく下回る11万4000人増にとどまる。失業率は、前月の4.1%から4.3%に上昇。

いくつもの悪条件が重なったことで、アメリカ経済の減速懸念が高まり、「9月の利下げでは遅すぎるのでは」との見方が強まりました。投資家の不安心理が高まった結果、ナスダック総合指数(JXIC)が一時3%下落するなど米国株式市場が急落しました。また、日本株が売られた背景には、円キャリートレードの巻き戻しがあると考えられます。

【前後の日経平均株価】

7月11日(木):4万2224円(史上最高値を更新)

8月5日(月):最安値3万1156円(過去最大の下げ幅を記録)

8月6日(火):終値3万4675円(過去最大の上げ幅を記録)

※:金利が低い円を借り入れ、それを資金としてドルなどの外貨に転換(円売り外貨買い)し、米国国債など金利の高い金融商品に投資する取引方法。円を借り入れた際に支払う低い金利と米国国債などから得られる高い金利の利ざやを稼ぐことを目的に機関投資家やヘッジファンドなどの大口投機筋を中心に取引される。

<GatorsRoboのご案内>

今回ご紹介した災害・疫病・地政学などのリスクに備えた情報収集は重要ですが、予測できるリスクには限界もあります。急な下落のなかで、冷静に精度の高い見通しを立てることは、容易ではありません。過去の事例からも、V字回復が起こり得る可能性や、下落相場でのさらなる下落(二番底)の有無については予測が難しいでしょうか。

急な価格の下落で想定外の損失を被らないためには、自動売買ツールの導入検討も一つの方法です。当社がご提供する自動売買ツール「GatorsRobo(ゲイターズロボ)」は、初心者様でも扱いやすく設計されています。

14日間無料でお使いいただける試用版や、当社の担当者によるオンラインデモもご用意しておりますので、以下よりぜひお気軽にお申込みください。

◆14日間無料試用版

https://225labo.com/modules/products/trial.html

◆オンラインデモ

https://225labo.com/modules/demo/

===============================

発行:

株式会社ゲイターズ 投資助言・代理業 関東財務局長(金商)第3289号

〒103-0016 東京都中央区日本橋小網町8-2 BIZMARKS日本橋茅場町5F

050(6861)0225

===============================

※当メールマガジン中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではございません。

※投資に関する決定はご自身の判断において行われるようお願いいたします。

※GatorsRoboシリーズご利用にあたっての注意点

  • 有価証券関連デリバティブ取引においては、指標の変動を直接の原因として損失が生ずることとなるおそれ(元本欠損が生ずるおそれ)があります。また、委託した証拠金を担保として証拠金の額を上回る多額の取引をすることができるため、損失の額が証拠金等の額を上回ることとなるおそれ(元本超過損が生ずるおそれ)があります。
  • ご利用にあたっては、ご契約前に、必ず契約締結前交付書面等の書面の内容を十分にお読みいただくよう、お願いいたします。
カテゴリー: 225Laboマガジン バックナンバー パーマリンク